マラソンを頑張っているけど練習も十分にできないし、結局は大会に出ても、もともと才能がある人には勝てないと思っている人もいるのではないでしょうか。
そもそも、エリートランナーと市民ランナーとの差はどこにあるのか❓
その答えの1つが研究で分かりました。
それは、筋肉とか心肺機能の差だけではなく、腸内細菌にあることが分かったというのがこの記事の内容になります。
目次
エリートランナーが共通して持っている腸内細菌ベイロレア
最近、これを持っているだけでマラソンが速くなるという菌が発見されました。
エリートマラソン選手たちが共通して持っている腸内細菌「ベイロネラ」が持久力の向上にひと役買っているということなんです。
アメリカのハーバード大学などの研究チームが、6月24日アメリカの医学雑誌ネイチャーメディシンに発表した論文です。
2015年のボストンマラソンに参加したエリートマラソン選手15人の便に含まれる腸内細菌を、大会の前と後、2週間にわたって調べました。
一般の人の便の中に含まれる腸内細菌と比較したところ、エリートマラソン選手の便に含まれる腸内細菌には、「ベイロネラ」という種類の腸内細菌が多く含まれていることが分かりました。
そして、ベイロレアは大会直後に特に増えていたそうなんです。
そこで大会関係者は、このベイロネラという腸内細菌をマウスに投与してランニングマシンで走らせる実験をしました。
すると、ベイロレラを投与したマウスは、投与していないマウスに比べて、走れる時間が平均で13%長くなったのです。
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体内の乳酸を代謝する
なぜこのようなことが起こったのでしょうか。
このベイロレラは、運動した際に筋肉が作る乳酸を食べて脂肪酸に変える能力を持っているからです。
つまり乳酸が増えると運動能力が低下するのですが、これに対して脂肪酸は、マラソンなど持久系の運動する際のエネルギーになるわけです。
ですからベイロレアを体内に持っていれば、この脂肪酸を利用して持久力が向上するのではないかという推測がなされたのです。
ベイロネラが乳酸を炭素源とする生物だった
運動をした時に筋肉が生成する乳酸。
ベイロレアは、この運動によって生じた乳酸を主要な食物源として使うのです。
最初の仮説としては、乳酸の蓄積が筋肉疲労の原因となるので、ベイロレアが乳酸除去のために働くのだろうということでした。
しかし現在、乳酸の蓄積が疲労の原因になるという説が正しくないとされていることから、再び運動能力向上の原因について考えました。
乳酸を脂肪酸に変換
研究チームは、ベイロレアの乳酸代謝によってなにが起こるかを調べました。
そして運動後に、乳酸を短鎖脂肪酸であるプロピオン酸に変換する酵素が増加していることを発見したそうです。
マウスの実験ですが、プロピオン酸によって運動能力が向上することが分かったのです。
プロピオン酸は、大腸から吸収されて肝臓で糖に変わることで、体のエネルギーとして使われます。
座ることが多い人には見られない
ベイロネラは、座ることが多い人の腸には見られないといいます。
分析をしたコスティック博士によって、このように語られています。
ただちに我々の注意を引いたものの一つは、この単一の細菌ベイロネラだった。それは明確に、マラソンを終えたばかりのランナーの腸内に豊富に存在していた。ネイロネラはまた、ランナーにおいて座位中心のものよりも豊富に存在していることがわかった。
以前から知られていた運動と腸内細菌との関係
実は以前から、腸内細菌と持久系の運動には大きな関係があるのではないかと研究者の間でいわれていました。
2015年に台湾の国立体育大学のチームは、普通のマウスと、腸内細菌を取り除いたマウスと、一種類だけの腸内細菌を残したマウスを泳がせて、遊泳時間の長さを比較しました。その結果、普通のマウスの成績が一番よかったのです。
もう一つ、ラグビーのトップ選手がぶつかり合うところの筋肉の炎症は普通の人よりも少ないのですが、これにも腸内細菌が関わっているのではないかといわれています。
ラグビーのトップ選手に腸内細菌が多いことから、たくさん腸内細菌を持っている方が持久力があり、スポーツをするのに適していることが分かっていたのです。
まとめ
- エリートマラソン選手が共通して持っている腸内細菌ベイロネラを発見
- ベオロネラが乳酸を脂肪酸に変換
- ベイロネラは座ることが多い人には見られない
- 運動と腸内細菌との関係は以前から知られていた
- サプリメント開発など、これからに期待
人間の中にはおよそ100兆個、300種類もの腸内細菌が住みついています。ですから、腸内細菌についてはまだ分かっていないことの方が多いのです。
ですから、ベイロレアのサプリメントを作ってそれをランナーが使用したり、さらには、高齢者の運動機能の改善や健康維持のサポートとして、ベイロレアのサプリメント実用化への期待が高まっています。

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