大事な場面で体がこわばる、冷や汗が出る、頭が真っ白になる、心臓がドキドキする。
このような症状は、緊張のしすぎ、過緊張によるものです。
その対処法の一つとして、深呼吸をして副交感神経を優位にし、リラックスするという方法があります。
しかしながら、いざとなったらやるのを忘れていたり、深呼吸をしたのに緊張がおさまらないという人もいます。
これは、深呼吸のやり方を間違えていたり、普段やり慣れていないため、とっさに実行できないことがあります。
この記事では、
- 緊張の正体
- ただしい深呼吸のやりかた
- 慢性的な自律神経の乱れへの対処
などが分かる内容になっています。
参考図書
目次
- 緊張の原因は3つある
- やり方を間違うと逆効果
- 普段から練習をしておく
- 正しい深呼吸のポイント
- 全て吐き出すイメージ
- 深い呼吸とは
- 慢性的な自律神経の乱れ整える
- 鼻呼吸のメリット
- 片鼻呼吸の目的
- 片鼻呼吸の方法
- まとめ
緊張の原因は3つある
- 交感神経が優位
- セロトニンが低い
- ノルアドレナリンが高い
主に、この3つが緊張を引き起こす要因です。
その対処法として、深呼吸をお勧めします。
正しい深呼吸によって副交感神経を優位に働かせ、ノルアドレナリンの分泌を減らすことができます。
やり方を間違うと逆効果
深呼吸をしても、全然効果がないという人がいます。
深呼吸のやり方を間違えると、効果半減どころか逆効果になってしまうこともあるため、まずは注意点から説明していきます。
呼吸が浅く回数が多い
ここでの深呼吸の目的は、副交感神経を優位にしてリラックスすることです。
ところが浅く早い呼吸では、交感神経が優位になりリラックスできません。
短く浅い呼吸は、どちらかというと過呼吸に近く、あまり酸素を取り込むことができません。
息を吸う時間を長くがんばりすぎる
呼吸においては、息を吸い込むときに交感神経が活発になります。
そして反対に、副交感神経が活発になるのは、息を吐いているときなのです。
ですから、意識するのなら、吸い込むのではなく吐き出すほうです。
緊張を緩和する深呼吸のやり方として、一度、肺の中の空気を全て吐ききります。
そして息を吸うときは、空っぽになった肺に自然に空気が流れ込むイメージです。
決して吸い込むほうをがんばりすぎてはいけません。
普段から練習をしておく
緊張した場面でいざ深呼吸をしようとしても、慣れていないと正しく行うことができません。
すると、深呼吸をやったのにリラックスせず、緊張がつづくことになります。
つまり、普段から深呼吸の練習しておくことが大切なのです。
日常の中にも深呼吸を取り入れることによって心が落ちつき、感情のコントロールがうまくいき、ストレス解消にもなります
正しい深呼吸のポイント
深呼吸のポイントは次の4つです。
- すべて息を吐ききる
- 細く長く吐く
- 腹式呼吸を意識する
- 吸い込んだ倍の時間吐きだす
慣れるまで難しいのが、細く長く、すべての息を吐ききることです。
やり方のコツとしては、口から細く長い糸を吐きだすイメージ。
その糸を途中で切らないように、ゆっくりと吐きつづけるイメージです。
全て吐き出すイメージ
吸い込む方がんばりすぎると、交感神経が優位になり、逆にリラックスできなくなってしまいます。
ですから、リラックスするための深呼吸をするコツとしては、息を吸い込んだ時間の倍以上かけて息を吐き出すことなのです。
例えば、
5秒吸い込む → 10秒吐く
8秒吸い込む → 16秒吐く
慣れていないと、10秒間吐きつづけるのも難しいかもしれません。
はじめのうちは短い時間でも大丈夫です。
重要なのは、肺の中の空気を全て吐ききることなのです。
深い呼吸とは
口呼吸で胸いっぱいに息を吸い込むと、たいていは胸で呼吸をする胸式呼吸になってしまいまうものです。
これは、大きく呼吸をしているようですが、呼吸は浅くなっています。
つまり深い呼吸というのは、横隔膜を使う腹式呼吸のことをいいます。
そして腹式呼吸で大切なのは、鼻で吸い込むことです。
口呼吸では胸式呼吸になり交感神経が優位になるため、ストレスが強くなるのです。
普段から鼻呼吸が身についている人は、自律神経のバランスの整っている人が多いといえます。
慢性的な自律神経の乱れ整える
ここまで述べたのは、いっときの緊張を緩和する手段として、深呼吸を行うケースです。
しかしながら、慢性的に自律神経が乱れている人にとっては、深呼吸の効果が現れにくいかもしれません。
このような人は、規則正しい生活や、ストレスへの対処など、様々な原因を取り除く必要があるかもしれません。
この記事では、深呼吸にフォーカスして解説していますので、ここからは自律神経を整える鼻呼吸のやり方を解説します。
鼻呼吸のメリット
- 鼻呼吸をすると、吸い込む空気が温まり湿度が上がる
- 鼻呼吸では、外部から細菌やウィルスが侵入するのを防ぐことができる
- 鼻の粘膜で作られる一酸化窒素を肺に送り込むことができる
一酸化窒素には、血管を拡張させる働きがあるほか、
- 高血圧を予防する
- コレステロール値を下げる
- 動脈の柔軟性を保つ
などの働きが認められています。
片鼻呼吸の目的
片鼻呼吸を行うと自律神経が整います。
片鼻呼吸は、ヨガでも行われる呼吸法の1つになります。
ヨガでは、右鼻が交感神経、左鼻は副交感神経を司るといわれています。
鼻呼吸によって副交感神経が優位になると述べましたが、その他にも鼻の粘膜で作られる一酸化窒素が鼻の粘膜から取り込まれやすくなるという効果もあります。
一酸化窒素は、
- 血圧の調整
- 恒常性の維持
- 神経伝達
- 免疫機能
- 呼吸機能
これらにおいて、重要な役割を果たすともいわれています。
片鼻呼吸の方法
片鼻呼吸のやり方を検索すると、いろいろな方法が出てきます。
ここでは、その中の1つをご紹介します。
- 右手親指を右鼻、人差し指を左鼻にそえる
- 右手親指で右小鼻をおさえて左鼻から息を吸う
- 人差し指で左小鼻をおさえ、解放した右鼻から息を吐く
- 吐ききったら右鼻から息を吸う
- 右小鼻をおさえて左鼻から息を吐く
- 吐ききったら左鼻から息を吸う
- 3〜6を2〜3分繰り返す
通常の深呼吸のやり方と同じく、息を吐くことに意識を向けて行ってください。
最初は息がしづらく苦しいかもしれませんが、これはトレーニングですから、時間を見つけて短時間でも良いので継続してみてください。
まとめ
- 深呼吸はやり方を間違うと逆効果になる
- 緊張しやすい人は、呼吸が浅く回数が多い
- 緊張しやすい人は、息を吸う時間が長すぎる
- 正しい深呼吸のポイントは、全て吐き出すイメージ
- 片鼻呼吸の目的と方法
呼吸は無意識ですから、これまでの習慣から自分がやりやすい方法になっているものです。
ただ、これは癖のようなもので、練習することによって正しい呼吸法に変えていくことができます。
鼻呼吸を習慣づけて自律神経を整え、緊張する場面では息を吐き出すことに注意を向けましょう。
そして、いつでもリラックスできるように普段から準備をしておきましょう。
参考図書
Twitterでも発信してます⬇️
あおば秀樹🦴ほねつぎ院長 (@aofujiseikotsu) on Twitter
YouTubeでも発信してます⬇️
あおふじチャンネル - YouTube